ホームページを作る前に絶対に知っておきたい節税方法を実例とともに紹介

今や、企業のホームページはビジネスにおいて必要不可欠なものとなっています。

しかし、ホームページを作るにはそれなりのコストがかかることも事実です。

例えば、制作・更新・SEO対策など、多岐にわたる作業に加えて、運用費用もかかるため、中小企業の経営者にとっては負担が大きい問題ともいえます。

そこで、ホームページを作る前に知っておきたいのが節税のポイントです。

この記事では、ホームページ運用で得られる節税効果の実例を紹介しながら、そのメリットやポイントについて詳しく解説していきます。

経営者の皆さまが、ホームページ運用によってビジネスの拡大と同時に節税効果を実感できるよう、役立つ情報をお届けできれば幸いです。

目次

ホームページ運用にかかる費用とは?

ホームページ運用には、ホームページ制作からウェブマーケティングまで多くのコストがかかってきます。

代表的なものは以下の通りです。

<通信費>

費用内訳月額料金
①サーバー費用数百円~3,000円程度
②ドメイン費用数百円~500円程度
③SSL証明費用無料~5,000円程度

<ホームページ制作費>

VALUE AGENT様より引用

<その他更新管理費>

費用内訳月額料金
①SEO対策50,000~1,000,000円程度
②MEO対策10,000円~50,000円程度
③コンテンツ制作(記事制作、更新)50,000~200,000円程度
④保守管理5,000~20,000円程度

ホームページにかかる費用には一部例外規定が存在する

ホームページにはこれら様々な費用がかかってきますが基本的な会計処理は「広告宣伝費」となります。

広告宣伝費とされるは、以下の2つの理由からです。

・一般的にホームページは企業や商品・サービスの認知拡大のために作成されるものであるから
・ホームページは常に更新されるものであり、1年以上放置することはほとんどないから

ほとんどの場合は、分割処理するための耐用年数は考えません。

しかし一部例外もあり、分割して費用(経費)計上する場合もあります。
それはホームページの一部が「ソフトウェア」とされる場合です。

ソフトウエアの耐用年数については、その利用目的に応じて次のとおりです。

(1) 「複写して販売するための原本」又は「研究開発用のもの」・・・・・・・・・3年

(2) 「その他のもの」・・・・・・・・・・・・5年

国税庁No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数より引用

ここで問題となるのが、ホームページ運用において「ソフトウェアとは何なのか?」ということについてですが、実務上は以下のように判断されています。

  サーバーを介してデータベース等との情報のやりとりをするものが含まれるもの

具体的には、次のようなものが「ソフトウェア」として、耐用年数である5年に分割して費用計上します。

(1)自社商品を検索する機能はソフトウェア

検索機能などのプログラム機能については、サーバーを通して情報を探し出すようなプログラムですので、ソフトウエアに該当するものと考えられます。

(2)オンラインショッピング機能はソフトウェア

オンラインショッピング機能は、閲覧者が購入するためのプログラムが組み込まれているため、ソフトウエアに該当するものと考えられます。

(3)「ログイン/パスワード」の入力機能はソフトウェア

サーバーを通じて管理している情報と顧客が入力した情報が適正であるか否かを確認するプログラムが組み込まれているため、ソフトウエアに該当するものと考えられます。

(4)自社の商品を購入することができるオンラインショッピング機能

サーバーを通して商品売買を管理するプログラムが組み込まれていること、オンラインショッピング機能の目的が広告宣伝であるとは考えにくいため,ソフトウエアに該当するものと考えられます。

(5)自社の商品であるチケットをインターネットで予約できる機能

広告宣伝を目的としたものではないうえ、サーバーを通じて商品管理等をするプログラム機能を有しているため,ソフトウエアに該当するものと考えられます。

(6)広告宣伝目的の動画掲載の作成費用

判断が分かれるところかも知れません。ただ、一般的に動画は仕様書等が付されていることなどから,ソフトウエアに該当するものと考えられます。

(7)ゲーム機能

ソフトウエアに該当するものと考えられます。

(8)各機能のバージョンアップについて

資本的支出として資産計上する必要があります。

これらソフトウェアに関するものを、
分割して費用(経費)計上することで
節税策の一つとして活用することができます。

ただし、一点注意事項があります。

中小企業者等は30万円以下のソフトウェアを費用計上できる

基本的に取得価額が10万円以上の固定資産である場合は減価償却(分割して経費計上)しますが、「中小企業者等」の場合は30万円以下であれば費用処置ができるという特例があります。国税庁のサイトにも以下のような記載があります。

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から令和6年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

国税庁No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例より引用

これはつまり、本当は減価償却しなければならないが30万円以下ならしなくて良いというものです。本特例の対象となる資産のことを少額減価償却資産と呼びます。

そのため、

✔️単年度で費用を大きく作りたいならソフトウェア費用を30万円以内に抑える
✔️複数年度に分けて費用計上したいならソフトウェア費用を30万円以上にする

という使い分けが節税する上では必要です。

まとめ

本記事ではホームページを制作する前に知っておくべき節税策について、会計上の耐用年数の視点から解説してきました。

要点は次のとおりです。

・ホームページにかかる費用は、多くの場合に広告宣伝費として全額費用計上するため耐用年数は考えない
・「ソフトウェア」に該当する部分は、中小企業の場合、30万円を超えると耐用年数5年で減価償却する
・30万円を超えない場合は全額費用計上可能

本記事がホームページ制作を検討される際の参考になれば幸いです。

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